はじめに
SDGsとは2015年の国連サミットで採択された持続可能な開発目標のことです。2030年までに持続可能でより良い社会を目指すために、経済、環境、社会の3つの側面から17のゴール、169のターゲット、23の指標が決められています。
ESGとは環境(Environment)・社会(Social)・企業統治(Governance)の3つであり、企業が投資を受ける際の評価項目となっています。環境や社会全体に利益をもたらし、持続可能な世界を実現するために必要な取り組みとして、世界の企業が投資を飛び込むうえで重要な指標だと認識されるようになりました。
ブルーレポート2月号では、中小企業のSDGs・ESGにむけた取り組みの状況について調査し結果をまとめました。
SDGs・ESGの理解と取り組み状況
SDGs・ESGについての理解
●SDGs・ESGの両方知っていると回答した経営者は30.4%
●15.8%の経営者はSDGs・ESGを知らない
SDGs・ESGについての取り組み状況
●69.3%が「取り組めていない」と回答
認知状況に比べて、取り組んでいる企業は一気に減っていることがわかります。
さまざまなメディアで取り上げられ、その名前や内容についての理解は進んでいても、それを実際の経営に取り入れる企業はまだまだ少ないです。
取り組む意識がない理由
●「対応する時間がない」「どうすればいいかわからない」という経営者が6割越え
問題意識はあっても「どうすればいいかわからない」という回答が多かったのは、自社の事業との関係性や効果が結びつきにくいと考えている可能性があります。
取り組み意識がない企業の今後の方針
●対応する時間や人材の不足や、どのように取り組めばよいかわからないこと、効果が見えないことなど、進める上での課題が解決されるのならば取り組む意思がある経営者は53.8%
具体的な対応方法や、対応人材の課題が解決すれば、取り組む企業はさらに増えると考えられますが、一方で認知していても、現在は勧める気がないという企業が多く存在することがわかりました。
SDGs・ESGの具体的な取り組み内容とその成果
SDGsの具体的な取り組み
SDGsの成果
「まだ成果は出ていない」が多いとはいえ、少数派の意見も束ねれば約半数の企業が何らかの成果を得ていることになります。
ESGの具体的な取り組み
ESGの成果
●まだ成果は出ていないと回答した経営者が38.5%
●それでも約半数は何らかの成果が見られたと回答
●SDGsの成果として聞いた質問の回答と重複するものが多い
SDGsとESGはその目的が違っていても、取り組む内容に大きな差はないと言えるのかもしれません。
自社が投資の対象ではないためにESGの観点で経営を行うことは、広い意味での環境・社会・企業統治を意識した経営による企業価値向上につながることは間違いないでしょう。
おわりに
SDGsへの取り組みもESGも上場企業のものだけではなくなりつつあります。取り組みを進める中小企業は少ないですが、企業価値向上や取引先全体の課題として意識しなければならない時代の到来を考えたとき、早めに導入を検討することは他社との差別化につながります。
コロナ禍の先、さらには未来の社会を意識したとき、そこで生き残る自社の姿を意識した前倒しの行動のヒントが、SDGsやESGには含まれていると言えるでしょう。
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